瞬間英作文の効用
| 「力があるのに話せない」を打開する | |
短文暗唱=瞬間英作文は、その他の点では有効な学習を行っている人でも、見落としがちな、あるいは敬遠しがちなトレーニング法です。非常に単純な英文を無数に作るという手法が知的にチャレンジングな事を好む学習者の死角に入りやすいからです。 高い基底能力を持ちTOEFLでも600点前後(TOEIC900前後)をとって留学をした人たちからよく次のような体験談を聞きます。「現地に行って、読むことは問題ないし、リスニングもでき講義も理解できた。でも、話す方はうまくいかず、最初の半年は聴くだけ、半年くらい過ぎてから、簡単なセンテンスがとつとつと口から出始め、1年2年と経つうちにスムーズさが増し、長いセンテンスでも話せるようになった。」 ある意味では、これは自然な外国語習得のプロセスです。確かに大学の学部4年間の留学というように滞在期間が長い場合は悠然と構えていられます。しかし、大半の人にとって、語学留学を思い立っても、数ヶ月から長くても1年の滞在がせいぜいでしょう。1年程度ではようやく会話が成り立ち始めた頃に帰国ということになってしまいます。 実は私自身もこのトレーニングの有効性を見過ごし、かなり高い基底能力を持ちながらも英語が話せないという期間を長く過ごしてしまいました。このトレーニングは効くだろうな、と思いつつ簡単な短文を無数に作るという退屈そうな作業に取り掛かる気になれなかったのです。しかし一向に英語が口から出てくるようにならない情況の中、中学英語レベルの短文集を使ってこのトレーニングを開始したのです。渋々と重い腰を上げたものの、いったん始めてみると作業はなかなか快適で、その効果は劇的な形で現れました。 | |
中学レベルの英語が応用自在になるのに半年もかからなかったと思います。欠けていたジグゾー・パズルのピースが見つかり、空白部分にぴたっとはまった思いがしたものです。気を良くした私は徐々に教材のレベルをあげていき、1年程度で、音読などで消化済みの構文・文法は自由に使えるようになっていました。 | |
短文暗唱=瞬間英作文トレーニングを行う際は次の3つのポイントに留意してください。 1.簡単な文を数多く作る ひとつひとつ解説しましょう。まず、1.からです。 英語の学習に英作文を取り入れる際、使える英語を効率的に身につけるためには、決していきなり次のような和文英訳問題に取り掛からないことです。 問題.次の日本文を英訳せよ。 こういった文が満載された大学受験や英検用英作文問題集をお持ちの方がいたら、すぐさま押入れの奥深くしまってください。なぜならこの種の問題が要求しているのは、知っている英語のルールを瞬間的に使うことでなく、その彼方にある翻訳の能力だからです。翻訳とは、深い日本語の知識を持ち、英語の能力も既に非常に高いレベルにある人が行う専門性の高い仕事であり、英語の基礎を身につけようとしている段階で手をつけることではありません。 我々がまず身につけなければならないのは、平易な文を瞬間的にかつ正確に作ることの出きる能力です。そもそも上に挙げた問題は日本文でさえ、すらっと口から出て来るしろものではないでしょう。こういった文から、あやふやな構文をこね回し、和英辞典と首っ引きで長時間かけてつぎはぎ細工のような英文をつくっても労して功無しです。効果をあげるには簡単な文を素早く、ひとつでも多く口から発していくことが大切です。 次に2.についてです。このトレーニングの主要な目的は、言いたいことが瞬時にばね仕掛けのように口から出てくる回路の獲得です。そのためには短文を暗唱するとき、スピーディー、かつなめらかになるまで口に収めなければなりません | |
。適切なテキストを使いながら、十分な効果があがらない人はこの部分を飛ばして、英文が取り合えずできたところで満足してさっさと次の文に移ってしまっているのです。 また、瞬間性も忘れないで下さい。このトレーニングで使う短文は自分にとっては簡単に理解できるレベルのものです。一つの日本文を英語にするのに1分も2分も時間を掛けるべきではありません。これでは数多く文をつくるというポイント1.が守れません。ちょっと考えてわからなかったら答えの英文を見てよく理解し、繰り返し口にして下さい。 | |
| 最後に3.です。外国語の駆使能力を身につけようとする場合、意識的なゴリゴリ暗記は禁物です。なにごとも一回で強引に暗記しようとしないことです。こうした記憶はいわゆる短期記憶、中期記憶で、学校のテストでは有効であったかもしれませんが、外国語を自由に操る力をつけるためにはほとんど役に立ちません。 | |

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