逃げたいと思った時点で交渉に負ける
「逃げたい」と思った時点で、交渉に負ける
交渉にあたっては、何よりも心構えが大事。決してあきらめないという強い心構えで臨むべきだ。
交渉は知力を使った戦いだ。戦いにおいてはファイティングポーズをとり続けるのが原則。及び腰になれば相手は攻め込んでくる。戦う姿勢を示し続けないと、相手から攻め込まれる。
攻め込まれたまま、相手の要求を受け入れるわけにはいかない。かといって攻めに転じることもできない。結局、ずるずると引き下がるだけの守りの交渉が続く。
“手強い相手”と思わせるか
交渉中はお互い不安を抱えている。あなたが不安を感じているときは、相手も不安を感じているものだ。そんなとき、あなたは、不安を抱えていることをおくびにも出してはいけない。堂々と振る舞う。戦う姿勢を示していれば、早期に自分の望む条件で合意に至ることも可能になる。大きな成果を得ることも可能になるのだ。
相手と面と向かって交渉しあうのはガッツがいる。とくに日本人は激論を戦わせるのが苦手だ。激論を戦わせると、相手との関係が気まずくなると思ってしまう。
以前、日系企業のアメリカ子会社の日本人社員が、アメリカ人の部下をうまくコントロールできていないケースがあった。
アメリカ人社員は、「日系の会社では、よほどのことがないと解雇されない」とタカをくくっている様子。日本人社員は、部下の営業成績が低下した理由を追及したいのに、できない。それを面と向かって指摘してしまうと、アメリカ人社員が機嫌を損ねるのではないかと心配しているのだ。
気まずくなっても
主張はハッキリ伝える
アメリカ人社員は、日本人の上司が営業成績に不満を持っているのは感じている。でも、それを言わせない。今の営業成績でよいと言わせたい。したがって、営業成績の低下について追及されるのは不愉快だ、という雰囲気をかもし出している。
日本人の社員は、その雰囲気ゆえに、結局、面と向かっては、そのアメリカ人社員に満足しているようなことだけを言うことになる。気まずい雰囲気を避け、議論を戦わせることができないのだ。
「逃げたい」と思った時点で、交渉に負ける
「別に気まずくたって関係ない。わが社の利益を優先させるべき」と言い聞かせよう。
そして自分の主張をハッキリと伝えよう。以心伝心、言わなくても伝わる、と考えるのは間違い。こちらがハッキリと主張しなくても、下手に出れば、相手が譲歩をもって応じてくれると思うのはお人好し。タフな交渉相手は、あなたが気まずい雰囲気を苦手とする人だとわかっても、意に介さない。むしろ、わざとそういった雰囲気をかもし出すかもしれないのだ。
精神的にタフな人は、交渉が決裂したままでも、その相手と対峙していることを苦としない。たとえば、激しくぶつかる交渉の相手とニコニコしながら夕食をともにすることも平気なのだ。
その夕食の席でも、交渉が有利に進むよう、会話の端々でプレッシャーを与えてくる。それに安易に屈してはダメ。攻めてくる相手には、こちらも腹をくくって、堂々と言うべきことは言うようにしよう。
どんな交渉相手も
決してナメてはいけない
たとえば年齢。いままで日本人の間では、ビジネスの場において、まだまだ年功序列的な考え方が根強かった。したがって、交渉相手が自分より年下だと、何となく偉そうな態度で臨んでしまうことがある。
しかしアメリカでは年齢は関係ない。ビジネスの場では、若い人が年上の人を立てるということはあまりない。年上の人も、若い人が自分を立ててくれなくても、何とも思わない。あくまで実力主義なのだ。
日本でもそうなりつつある。誤解を避けるために書き加えるが、アメリカ人が人生の先輩を敬わないと言っているわけではない。もちろん年上の人を敬うし、大事にする。ただビジネスの場で、「年上だから偉い」ということはないのだ。


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