投資

2007年11月 7日 (水)

資産運用に自分の言葉は負担になる

資産運用に自分の言葉は負担になる

 もう20年以上前になるが、外国為替専門銀行だった東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)で、一つ感心していたことがある。

それは、メディアでの為替相場の分析や予想にチーフディーラー(ディーリングの責任者)を登場させずに、調査部長にコメントさせていたことだ。

 さすがに相場に理解があると思って見ていた。

 円安であっても円高であっても、なんらかの相場観を口にすると、どうしても自分の言葉にこだわりが生まれる。まして、メディアに載るとなおさらだ。

 自分で意識しないつもりでも、他人から話しかけられることがある。当たりはずれが気になるのも余計なのだが、それ以上に他人に自分の言葉を晒したことで、過去の意見との「なんらかの一貫性」を意識していなければならないのが負担だ。たとえば、少し前に円安を予想していて、現在は円高を予想するとした場合に、何が変わったからそうなったのか、前と後を一貫して正当化する理由を考えなければならないことがその後の思考を制約する。

 為替のディーリングであっても株式の運用のようなもう少しゆったりした仕事であっても、自分の意見を絶えず多角的に疑ってチェックしなければならないし、間違いや見落としを発見したと思った場合には、すばやく新しい意見を組み立てなければならないが、その邪魔になるのだ(その場合、すぐに売り買いをするのがいいとは限らないが)。

 言葉の負担は、予想ばかりでなく結果の「言い訳」にもついて回る。

 運用結果の顧客や上司への説明は、プロの運用者であれば常に考えておかなければならないことだが、この潜在的な負担感は、説明しにくい運用行動を避ける方向への「重力」として働く。

資産運用に自分の言葉は負担になる

 しかし、困ったことに、説明しやすそうに思える運用行動は、誰にとってもわかりやすいから、すでに現在の相場に反映されている可能性が大きいし、有利・不利でいうと若干不利だろう。運用アイディアの金鉱脈は「他人はなかなか納得してくれないけれども、視点を変えると合理的かもしれない」というあたりにあることが多いので、他人に対する自分の言葉への責任感は邪魔になる。

 たぶん純粋に運用のことだけを考えると、予想も語らず、結果の説明もしない、というのがいちばんいいのだろうが、残念ながら年金運用でも投資信託でも運用者はなにも語らないわけにはいかない。

 もともと年金運用は、運用成績はともかくとして、計画と行動と結果を一貫して説明できなければならないという制約の下で運用する。顧客である年金基金も常に加入者への説明を必要としているから、これは仕方がない。

 投資信託では、かつてはファンドマネジャーがほぼ黙っていられたのだが、近年は、販売会社向けにあれやこれやと能書きを語らなければならない。いかに運用するかよりも、いかにマーケティングするかのほうがビジネス的には重要なので、文句を言えない。

 一方、個人の投資では、誰にも、なにも言わずにいていいはずなのだが、現実はどうだろうか。対面取引の証券会社で取引する場合、担当者をまったく意識しないですむだろうか。自慢したり、言い訳したりということが、多少はあるのではないだろうか。この点は、他人を意識せずにすむネット取引がいい。セールス担当者以上に家族が鬼門かもしれないし、投資が趣味の友人も邪魔かもしれない。

 アマチュア投資家は孤独が許される。これを生かさない手はないと思うが、どうだろうか。

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分散投資は初心者向けだ

バフェットは、バークシャーの「株主への手紙」でも、たびたび集中投資について書いています。一例として、1987年の手紙を引用してみましょう。

「私たちの方針は集中投資です。事業や株価について確信が持てないときに、あれこれ少しずつ買うことはしないように努めています。ある事業がとても魅力的だと確信したときは、買う意味があるといえるだけの大きな投資をすることが正しいと考えています」

 また、バークシャーの副会長を務めているチャーリー・マンガーは、2001年の株主総会で「アメリカで、わずか3社の優れた会社に自分の財産のほぼ全額を長期的に投じた人は、間違いなく大金持ちになっています」と話しています。

 実際、マンガーは25億ドルも投資しているのに、銘柄数はわずか7銘柄です。確信が持てないものや間違っているものを100銘柄持つよりも、数銘柄だけでもピッタリと正しいほうがよいと考えているのです。

分散投資は初級者向けの考え方?

 これまでの説明を読んで、疑問を持たれた方も多いでしょう。「銘柄を絞り込む集中投資よりも、多くの銘柄に分ける分散投資のほうがリスクが少ないのではないか」と考える人は少なくありません。

 誤解のないように付け加えると、バフェットは分散投資を否定しているわけではありません。「分散投資は無知に対する保護として役に立ちます」と話しています。「もしマーケットと比べて悪くならないようにと願うなら、すべての株を持てばいいのです。別に悪いことではありません。それどころか、会社をどのように分析したらよいかわからない人にとっては、まったく健全なアプローチです」。

 もしあなたが、株式市場の平均と同じくらいのパフォーマンスを望んでいるなら、手軽に分散投資ができるインデックス・ファンドを持つという方法があります。これは投資信託の1つですが、日経平均株価などの株価指数(インデックス)と同じような値動きをするように、さまざまな株式を広く組み入れた商品です。

分散投資は初級者向けの考え方?

『株で富を築くバフェットの法則』の著者ロバート・G・ハグストロームの調査によると、インデックス・ファンドで250銘柄を組み入れれば、市場平均のパフォーマンスから上下に外れる確率はわずか3%にすぎません。一方、15銘柄に絞った場合は、上下に外れる確率は25%になります。これは、銘柄を絞ると収益がマイナスになる可能性がある一方で、うまくいった場合のプラスも大きいことを表しています。

 そのため、市場の平均よりも高いパフォーマンスを上げたいなら、安易に分散させるのはよくありません。たくさんの銘柄のうちの1つが素晴らしい成績を上げても、全体の価値は少ししか上がらないからです。一方、集中投資で銘柄を絞り込めば、投資対象の会社をじっくり研究することもできますから、優れた会社を見つける確率も高くなります。

銘柄を絞れば絞るほど真剣になれる

 もしあなたが高いお金を払ってサッカーのチケットを買ったのに、当日体調が悪くなったらどうしますか。ほとんどの人はなんとかして試合を観に行こうとします。しかし、チケットを無料で手に入れた場合は、あきらめる人のほうが多いかもしれません。マネー心理学では、人間の言動はかかったコストによって左右されるといいます。

 株式投資も同じです。コストが少なければ深く考えずに投資をし、損をしても気になりません。しかし、100万円、1000万円と金額が上がるにつれて、本当に投資する価値があるのか、どういう商品なのかを吟味するようになります。バフェットも次のように話しています。

「パートナーシップを運営していた頃に、大口の投資と小口の投資でどちらの利回りが高いかを調べたことがあります。すると、大口の投資は小口の投資よりもつねに高い利回りを上げていたのです。

 これは、金額が大きくなればなるほど、決断までの調査が詳しく行なわれるためで、出資者からの批判も乗り越えなければならないからです。金額が小さいと、そうした作業はおざなりになる恐れがあります。『パーティで小耳にはさんだので、200株買ってみたんだ』という話をよく聞きますが、小口の投資はたいした理由もなく行なわれるものです」

 集中投資で大きな金額を投資することによって真剣みが増し、それが成功へとつながっていくのです。

http://diamond.jp/series/buffett/10006/?page=3

2007年10月30日 (火)

マイナスや大台にこだわる投資家の心理

 たとえ1円であっても、「増収」と「減収」、「増益」と「減益」では、天と地、月とスッポンの差がある(ここでは、予想と比べてプラスかマイナスかが意味を持つ)。ビル・ゲイツは、そうしたことを熟知して、業績見込みを発表していたという。「減益」と思わせておいて「増益」であれば、市場参加者はびっくりして株価は上昇する(こうしたプラスに作用する驚きをポジティブ・サプライズといい、逆に、マイナスに作用する驚きをネガティブ・サプライズという)。

 日経平均の1万6000円割れはニュースになるが、ニュースで「今日の株式市場は1万6122円を大きく割り込み……」と言うことはないだろう。実は、1万5999と1万6000、1万6121と1万6122は、数字の差としては、ほぼ違いはない。

人は、どこかに基準を置きたいのである。そうした基準をリファレンス・ポイント(参照点)と呼ぶ。意識的に基準を求める場合もあれば、無意識の場合もあるが、集団としては(マスコミなどが取り上げる)、キリのいい数字や歴史的な高値・安値が使われやすいし、個人としては、購入のコストなどが使われる仕儀となる。

 相場でうまくやっていくには、そうした心理をどううまくコントロールするかを学ばねばならない(そうした心理を排除できればすむ問題かもしれないが、そうした心理は人間の性[さが]でもある)。

 人がこだわる基準は、それに本当に意味があるか否かに関らず、重要なポイントになることがある。

 例えば、株価の大台にこだわることが経済的には無意味であることがわかっていても、現実には、皆がこだわっているのであれば、無視するわけにもいかず、むしろ積極的に利用したほうがいいということになる。私自身も、大台の手前で手仕舞ったりする。大台には、手仕舞いたい人が大勢いるからだ。基準に対するこだわりを捨てよというのではない。むしろ、利用するのだ。

 人は、損か儲けかに大いにこだわるものだ。損が大嫌いだからである。当たり前といえば当たり前なのではあるが、そのこだわりは異常といえるほどである。12万円の儲けと10万円の儲けは、心理的には大して違わないが、1万円の儲けと1万円の損では大違いだ。

http://diamond.jp/series/hayashi/1/?page=4

「群集心理」と決別する勇気

現在、ベンジャミン・グレアムやバフェットのブローカーを長らくやっていたクリストファー・ブラウンの『バリュー投資』という翻訳本の出版に向けて作業中であるが、そこにはこう書かれている。

「投資家は取り残されるのを嫌がり、マーケットが話題にしている注目銘柄や人気銘柄を所有するのが好きだ。人は、周りの皆が同じ選択をしたという事実に(同じスポーツチームを応援しているファンのように)安心感を覚えるのである。

 群集心理の虜になってしまうのは何も個人投資家だけではなく、ファンドマネジャーにも同じような傾向が見られる。同業者が保有している銘柄を自分も所有していれば、たとえ株価が下がってもクビになる可能性は少ない。ほかのファンドマネジャーのポートフォリオが値下がりしてくれるのなら、自分のポートフォリオもそれほど悪く見えないからだ。この奇妙な心情により、投資家は周りの皆が同じように負けている限り、自分が負けていることに苦痛を覚えなくなってしまう。

 投資家が一時的な熱狂に浮かされて大衆に追従しようとするもう一つの理由は、個人投資家もプロも、自分が所有している銘柄や市場全体がひとたび暴落すると、いっぺんに幻滅してしまうことだ。後味の悪い思いをして、老後資金の価値が減っている間は、株を買うのをやめてしまう。株が下がると、人は損をする。テレビや新聞のニュースは、すべて希望が持てないように思える。投資家は臆病になってしまうのだ。

http://diamond.jp/series/hayashi/2/?page=4

2007年10月28日 (日)

クリティカルシンキング

クリティカル・シンキング練習帳
M・ニール・ブラウン、スチュアート・M・キーリー 著、 森平 慶司 訳


株式投資に直接関係はありませんが、ものの考え方の基本として知っておくべき内容だと思います。
アナリストレポートや株ブログを読む際は、決して鵜呑みにするのではなく、常に批判的な視点で受け取ることが必要でしょう。そうでないと「あのアナリストは使えないじゃないか」というように、いつまでたっても責任転嫁の連続で、自分の頭で考えて少しずつでも進歩することができません。そのためには、結論の根拠は何か、その根拠には信憑性が持てのるか、といった視点を保つことが望ましいのではないでしょうか。

2007年10月21日 (日)

日本人の運用実績

日本における去年の年金運用実績は2.7%でした。アメリカでは平均的なサラリーマンでさえ、およそ10%で運用する実力を持っています。資産形成についてしっかりと学んだ層になると、利回り25%を実現しています。

 このようにアメリカ国民の運用実績が高いのは十数年間、必死で勉強してきたからです。レーガン大統領のとき、401Kという年金制度が制定され、アメリカ国民は年金について政府に頼れない状態になりました。実質的に、アメリカ政府は国民を突き放したともいえます。そこからアメリカ国民は死にもの狂いで勉強し、資産形成について学んだのです。トップクラスのファンドマネジャーやアドバイザー、延いては会社員まで、アメリカでは資金運用が国民的スポーツのように身近なものになっています。

http://diamond.jp/series/omae_speach/1/?page=3

投資は資産配分しだい

1990年代前半の実証研究で証明されたこと

投資効果の九割は資産配分しだいである。どの銘柄を選ぶかは投資効果の一割程度しか影響しない。

インデックスをベースにせよ。儲かる銘柄だけを選別する能力はファンドマネージャーにもない。彼らも成功するのは三分の一のみ。

2007年10月19日 (金)

日本経済の低迷と海外投資

http://news.livedoor.com/article/detail/3341812/

塾長:「ワシが言いたいのはそこだ! 日本人はフレンチ、イタリアン、中華料理などの世界の食べ物が好きなのに、投資となると国内の株くらいしか思いつかない。食は国際的なのに、金融教育は残念ながらドメスティックということだ。世界の色々な料理を食べているのと同様に、世界の金融商品を理解していけば、オカネの知識はもちろん、国際理解も深まるということなのだ」

塾長:「まず海外投資の基本として、その国の経済成長率に注目するのだ。日本はGDP成長率2.2%。それに対して、中国10.7%、ベトナム 8.2%、香港 6.9%、タイ 5.0%、ドバイ(アラブ首長国連邦) 8.9%、モンゴル8.4%、ロシア7.3%、インド9.4%…。世界には日本の4倍5倍あるいはそれ以上の加速度で成長している国があるのだ。2010年には日中のGDPが逆転するともいわれているぞ」

塾長:「確かに海外への投資にはリスクはあるが、投資対象を見つけるのは比較的容易なのだ。極端な話、その国全体の経済成長の波に乗って、その国の優良な基幹産業(例えば、銀行、石油、電力、通信、港湾、建設、不動産など)を選べばいいだろう」

生徒:「オススメはありますか?」

塾長:「日本で買える海外のETFだ。バンク・オブ・チャイナ(BANK OF CHINA)やチャイナ・オイルフィールド・サービス(CHINA OILFIELD SERVICES)など香港市場に上場している中国企業37社で構成する『ハンセン・エイチ-シェア・インデックスETF(Hang Seng H-Share Index ETF)、インド、中国、インドネシアなどの新興国(23ヶ国)の株式を集めた(iShares MSCI Emerging Markets Indx (ETF))がある」

塾長:「また、インドに特化したiシェアーズ・シェアーズ・BSE-SENSEX インディア・トラッカー(iShares BSE SENSEX India Tracker)もあるぞ」